G-RZ6K58FTGE 無理をしない職場でのコミュニケーション
❸習慣の魔法

職場のコミュニケーションで本当に大切な5つの意外な真実

ボクトヒカル

「Z世代の部下との接し方がわからない」「世代が違うから話しにくい…」職場で世代の異なる同僚とのコミュニケーションに、漠然とした不安や難しさを感じたことはありませんか?私たちはつい、「Z世代だから」「X世代だから」といった便利なレッテルに頼りがちです。

しかし、本当に大切なのは、そうした表面的なラベルの奥にある、もっと普遍的で本質的な原則です。

先日、自社で管理職向けのコミュニケーション研修(外部講師によるもの)を受講しましたが、グループワークの際に、世代間ギャップという言葉が何度も出てきました。それだけ多くの方が、日常のコミュニケーションの場でも、世代(年齢)というものを意識していることがよく分かりました。

この記事では、そうした不確かな世代論という地図を捨て、時代を超えて通用する、世代というラベルを無意味にするための基本的な5つの考え方について解説しています。

「世代の壁」は幻想。カギは「挨拶」という最強の武器

職場のコミュニケーションにおいて「世代の壁」という言葉をよく耳にしますが、それはほとんど幻想に過ぎません。

人の個性を形成する上で、世代の特性よりも個人の性格の方が大きな影響を与えるのでは無いでしょうか?私は、家族、友人、そして学校や会社といった身近な環境から受ける影響は小さくないと考えます。

事実、昨年度までの私のチームには3人のZ世代メンバーがいましたが、性格も趣味もバラバラで、同じ世代という括りが無意味に思えるほどです。

では、どうすれば年齢や立場の違いからくる心理的な距離を乗り越えられるのでしょうか?その答えは驚くほどシンプルです。

それは、日々の挨拶です。「おはようございます!」「お疲れ様です!」といった基本的なアクションこそが、あらゆる職場関係の土台を築くための、最もシンプルで強力な武器なのです。

これは、心理的コストが極めて低いにもかかわらず、相手の警戒心を解き、信頼関係の口座に毎日少しずつ預金していく、最も効率的な『先行投資』だからです。

挨拶はコミュニケーションの始まり、コミュニケーションは人間関係を築く土台。

この考えは、過去の記事で詳しく書いています。

宜しければ、本記事と合わせて読んでみてください。

世代を気にせずコミュニケーションをとる

目的は「仲良し」ではなく「円滑な業務」。職場の人間関係を見直そう

そして、その「挨拶」という最初の一歩をさらに効果的にするのが、職場のコミュニケーションに対する根本的な目的意識の転換です。

職場のコミュニケーションの目的を「みんなと仲良くなること」だと考えると、時に大きなプレッシャーを感じることがあります。

しかし、職場のようにプロフェッショナルな環境におけるコミュニケーションの本当の目的は、それとは少し異なります。

コミュニケーション研修で語られるように、職場におけるコミュニケーションの真の目的は、以下の3つの機能的な目標を達成することにあります。

  • 情報共有
  • 相互理解
  • トラブルの解決

つまり、業務を円滑に進めるための手段なのです。

コミュニケーションをこの機能的なレンズを通して捉え直すことで、不必要な社会的プレッシャーから解放され、より効果的でプロフェッショナルな対話が生まれます。

コミュニケーションにプレッシャーを感じなくても大丈夫だし、職場の人と仲良くなることを否定している訳でもありません。

良い仕事をするために業務を円滑に進める、そのためのコミュニケーションの方法はシンプルで、難しいものではないということです。

あなたは本当に「きいて」いる?コミュニケーションの質を変える3つの「きく」

コミュニケーションの質を劇的に変える、実践的なスキルがあります。

それは、日本語に存在する3つの「きく」を意識的に使い分けることです。

それぞれが持つ意味の違いを理解することで、会話の深度が大きく変わります。

  • 聞く : 音や声が自然と耳に入ってくる、受動的な状態。
  • 聴く : 相手に寄り添い、注意深く耳を傾ける積極的な姿勢。いわゆる「傾聴力」。
  • 訊く : 不明な点やさらに知りたいことを問いかけ、理解を深めること。いわゆる「質問力」。

例えば、部下の「この案件、少し遅れそうです」という報告に対し、ただ「聞いた」だけでは「そうか」で終わります。

「聴く」姿勢があれば「何か問題でもあった?」と寄り添い、「訊く」スキルがあれば「遅れのボトルネックは具体的にどの部分で、私に何かサポートできることはある?」と、解決に向けた対話に繋げられるのです。

最高の学びの場は研修ではない。成長を加速させる「70:20:10の法則」

プロフェッショナルとしての成長は、どこで最も促されるのでしょうか。

多くの人は研修や読書を思い浮かべるかもしれませんが、現実は異なります。

70:20:10の法則(ロミンガーの法則)という学習モデルが、その意外な真実を明らかにしています。

  • 70%: 日々の業務や直接的な経験から
  • 20%: 上司や同僚からのフィードバックやアドバイスなど、他者との関わりから
  • 10%: 研修や読書といったフォーマルな学習から

この法則が示す重要な事実は、私たちの成長の大部分(実に90%)が、研修室の中ではなく、日々の仕事と周囲とのコミュニケーションから生まれるということです。

つまりこの法則は、日常の挨拶や対話を「単なる雑談」から「成長機会の20%を占める重要な学習活動」へと再定義するのです。

究極のスキルは「自分ごと化」。当事者意識がすべてを変える

これまで紹介したスキルや原則を最大限に機能させるために、不可欠な一つのマインドセットがあります。それが「自分ごと化」です。

これは、組織やチームの課題を「他人事」ではなく、自分自身の課題として主体的に捉え、行動する姿勢を指します。

この「当事者意識」こそが、これまで紹介した全てのスキルを駆動させるエンジンです。

課題を「自分ごと」として捉えた瞬間、人は初めて真剣に相手の話を「聴き」、理解を深めるために「訊く」ようになります(ポイント3)。業務の円滑化という目的に向かって(ポイント2)、他者との関わり(70:20:10の法則の20%)を自ら求め、日々の挨拶(ポイント1)さえも、目的達成のための重要なアクションに変わります。

この意識を育むことで、以下のような多くのメリットが期待できます。

  • 生産性の向上
  • 個人の成長速度の加速
  • 高いモチベーションの維持

まとめ

効果的な職場のコミュニケーションは、日々の挨拶といったシンプルな行動、業務遂行という本来の目的の理解、積極的な傾聴、そして何よりも「自分ごと化」という当事者意識といった、普遍的な原則に立ち返ることです。

冒頭に、私が自社のコミュニケーション研修を受講した時の話を書きましたが、このような研修も、受講して終わりではなく、「自分ごと化」させることで行動(アクション)をスタートさせることが大切であると思います。

明日から、あなたは誰に、どんな「最初のアクション」を起こしますか?

挨拶というアクションや、自分ごと化させるアクションを日々続けることで習慣化し、自分の力にしたいですね。

無理する必要はありません、できることから始めましょう!大丈夫、時間は掛かっても少しずつ変わります。

このページが、読んでいただいた方の参考になれば幸いです。

参考になるかも!?

コミュニケーションの基本となる、人の話を聞くという意味で、ケイト・マーフィさんのLISTENが参考になるかもしれません。

ご参考までに。

➤LISTEN/ケイト・マーフィ(著) 本

➤LISTEN <要約>YouTube動画

以上

ABOUT ME
ボクトヒカル
ボクトヒカル
事業企画マネージャー
中堅企業で19年間、営業としてキャリアを積み、マネジメントの経験も含めて、多くの貴重な体験をしてきました。 現在は事業企画マネージャーとして、事業戦略のマネジメントを担っています。
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