G-RZ6K58FTGE 怒りをコントロールするアンガーマネジメント
❸習慣の魔法

怒りの取説「アンガーマネジメント」

ボクトヒカル

今日は皆さんのキャリアと心の健康に関わる「アンガーマネジメント」について、お話しさせてください。

「アンガーマネジメント? 怒りを我慢するってことでしょ?」

正直、私も昔はそう思っていました。

しかし、激変する現代の職場で何年も揉まれてきて痛感するのは、感情を適切にコントロールするスキルこそが、皆さんがより良い環境で働くための武器になるということです。

パワハラ防止法が施行され、多様な価値観を持つメンバーと協働する今、「怒り」が職場の生産性や人間関係を壊すリスクは、昔より格段に高まっています。

私自身、感情に振り回されて「あの時あんなこと言わなきゃよかった」と後悔した時間は少なくありません。

このページでは、皆さんが私と同じ轍を踏まないよう、アンガーマネジメントの4つのポイントを共有させていただきます。

ポイント1 ストレスの原因は多様化している

まず、私たちがなぜ怒りの感情と向き合うべきなのか、その背景を共有させてください。

厚生労働省の調査を見ると、仕事や職業生活で「強いストレス」を感じている労働者は82.7%にも上り、特に30代、40代では85%を超えるという実態があります。

主なストレスの原因は、「仕事の失敗、責任の発生等」「仕事の量」、そして「対人関係(セクハラ・パワハラ含む)」です。

皆さんも、リモートワークやスマホによって24時間いつでも仕事に対応できる環境になってしまい、仕事とプライベートの境界線が曖昧になっていると感じませんか?

現代は、ストレス要因が多様化し、コミュニケーションにおける誤解や衝突が起きやすい現代社会だからこそ、怒りに任せた衝動的な行動(暴言を吐く、物に当たるなど) を防ぐためにも、アンガーマネジメントの正しい理解が必要です。

ポイント2 アンガーマネジメントの目的は「怒りの適切な取扱い」

アンガーマネジメントの本当の目的は何でしょうか。

これは、怒りをグッと我慢して心身の不調を引き起こす ことでも、怒りという感情を完全に排除することでもありません。

怒りは人間にとって自然なものであり、時には行動を起こすエネルギーにもなり得ます。

アンガーマネジメントは、「怒る必要がある時には上手に、適切に怒る。怒る必要のないことは怒らないようになること」。つまり、感情に振り回されて後悔しないように、感情をコントロールするスキル を身につけることです。

冷静に「怒るべきかどうか」の線引きをできるようにすること、そして不必要な怒りを抑制すること、これが職場の雰囲気や人間関係を乱さないために、企業にとっても社員にとっても極めて意味のあることです。

ポイント3 感情爆発を防ぐ!「6秒ルール」と「数値化」の実践

理屈はわかったとして、「カチンときた瞬間、どうすればいいんだ?」と聞きたいですよね。アンガーマネジメントには、すぐに実践できる具体的なテクニックがあります。

まず基本中の基本が「6秒ルール」です。怒りのピークは最長でも約6秒間しか続かない と言われています。この6秒間をやり過ごせば、衝動的な反応を抑え、冷静に対応できるようになります。

イラッときたら、心の中で「落ち着こう」と唱えたり、深呼吸をしたり、1から6までゆっくり数を数えてみてください。深呼吸は、副交感神経の働きを高め、リラックス効果が期待できるため、6秒ルールと組み合わせると有効です。

私の場合は、6回深呼吸をします。しかし、実際は会議などの議論の場で、相手の発言にイラっとした時には、反射的に言い返してしまうことがよくあります。

私は感情的に怒ることは非常に少ないと思っていますが、反射的にキツイ一言を言い返してしまうことはよくあり、後で後悔し、反省します。こういうクセを直すには、強く意識することと、何度も実践することだと思っています。

さらに、私が管理職になってから特に助けられているのが、「怒りにスコアをつける」という実践方法です。

怒りの程度を0から10の10段階で評価するのです。

  • 0: 全く怒りを感じていない状態
  • 10: 人生最大の激しい怒り(全身が震えるくらい)

怒りを感じた瞬間に「今の怒りは何点だろう?」と点数付けに意識を向けることで、脳が衝動的な行動から逸れるため、怒りに任せた行動を防ぐことができます。

これを繰り返すことで、自分の怒りのパターンを客観的に捉えられるようになり、「本当は怒る必要がなかった」という気づきを得ることもあります。

怒りが強すぎてどうしようもない場合は、物理的にその場を離れる「タイムアウト法」も有効です。トイレに行く、一旦外出するなど、目の前から怒りの原因を一時的に遠ざけるのがポイントです。

ポイント4 「冷静な対応力」こそが、キャリアを前進させる

若手・中堅の皆さんが管理職を目指す、あるいは組織の中核を担っていく上で、このアンガーマネジメントスキルは、単なるストレス対策に留まらず、キャリア形成に直結します。

怒りをコントロールできる上司は、部下から信頼されやすいものです。

冷静な対応ができるようになれば、部下の指導や教育の場でも、感情的にならず、状況に応じた適切な助言が可能となり、マネジメントの質が向上します。

また、チーム全体で感情的な言動が抑制されれば、コミュニケーションが円滑になり、職場の人間関係も改善しやすくなります。

結果的に、イライラで仕事に集中できない無駄な時間が減り、業務の効率化と生産性向上が図れます。

私も管理職として、会議やミーティングの中での議論で怒りを感じた際には「6秒待って」衝動的な反応を抑える。

そして、自分の感情を攻撃的ではない方法で伝えるアサーティブなコミュニケーションを心がけるようにしています。

さらに、管理職の皆さんは、部下や同僚が「なぜ●●しなかったんだ!」などと自分の常識や価値観と異なる行動をとった際に怒りを感じることがあるかもしれません。

しかし、その怒りを表す前に、相手は自分とは異なる価値観で行動していることを認識し、相手の考えを理解しようと努めることが大切です。

まとめ

怒りの感情自体は悪いものではありません。

しかし、その取り扱い方を間違えると、皆さん自身の健康を害したり、職場の人間関係を壊し、キャリアの機会損失につながりかねません。

アンガーマネジメントは、怒りによる自律神経の乱れを抑え、心身の健康維持にもつながります。

今日からぜひ、「6秒ルール」や「怒りの数値化」といった簡単なテクニックを意識的に実践してみてください。

感情のコントロールを身につけることで、皆さんのビジネスライフがより充実したものになることを、心から願っております。

このページが、読んでいただいた方の参考になれば幸いです。

参考資料

このページで参考にした資料を、以下へ記載しております。

【参考記事】

リクルートマネジメントソリューションズ/アンガーマネジメントとは

HRプロ/「アンガーマネジメント」とは?

【参考動画】

西野と学ぶアンガーマネジメント/YouTube

アンガーマネジメントを解説(精神科医が心の病気を解説するCh)/YouTube

以上

ABOUT ME
ボクトヒカル
ボクトヒカル
事業企画マネージャー
中堅企業で19年間、営業としてキャリアを積み、マネジメントの経験も含めて、多くの貴重な体験をしてきました。 現在は事業企画マネージャーとして、事業戦略のマネジメントを担っています。
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