G-RZ6K58FTGE ストレスを減らすアサーション
習慣の魔法

ビジネスパーソン必須!ストレスを減らすアサーション

ボクトヒカル

私は日々の業務の中で、社内外の多くの方と関わりますが、能力は高いのに、コミュニケーションで無駄なストレスを抱え、本来のパフォーマンスを発揮しきれていない方と出会うことは少なくありません。

仕事でコミュニケーションのストレスを感じる方は、上司や顧客からの無理な要求に対し「No」と言えなかったり、あるいは自分の意見を伝える際に感情的になってしまったり、そのバランスを取る難しさに直面しているのではないでしょうか。

そこで今回、皆さんの仕事の生産性を高め、職場の風通しを良くするために、今注目されている「アサーション(Assertiveness)」というコミュニケーションスキルについて解説します。これは、決して相手を言い負かす技術ではなく、「自分も相手も大切にする」自己表現です。

率直な意見交換ができる職場は、結果として離職率の改善や企業の業績アップにもつながります。このスキルを身につけ、より充実したビジネスライフを目指しましょう。

このページでは、アサーションを実践し、自己表現が上手になるための4つのポイントについて解説していきます。

感情を客観的に整理する

私たちは大人になるにつれて、感情を抑え込んだり、気づかないふりをしたりすることが多くなります。しかし、ストレスを溜めないためには、まず自分の気持ちを確かめることが大切です。

自分の感情を整理する有効な手段は、「私」を主語にして考えてみること(アイメッセージ)です。

何か不満やストレスを感じた際、「あなたは〇〇だ」と相手を主語にすると、相手は責められていると感じて防衛的になってしまいがちです。そうではなく、「私は〇〇だと思っている」「私は〇〇だと感じた」という形で感情を言語化しましょう。

例えば、報告書が滞っている部下に対して「あなたは提出しましたか?」と聞くのではなく、「いつ報告書を提出できるかを報告してくれると私が助かる」と伝えることで、相手を傷つけずにスムーズに業務を遂行できます。

誰もが自分らしく意見を述べて良い

アサーションは、もともと対人関係や自己表現が苦手な人への援助プログラムとして開発され、「誰にでも自分を主張する権利がある」という考えと結びついて発展してきました。

私たちは誰でも、自分らしくいて良いという認識を持ちましょう。「自分は自分の気持ちを表現して良い」と認識することが、アサーションの根幹です。

そして、自分が自分らしくいて良いということは、他の人もその人らしくいて良いということです。

もし、相手の意見が自分と違っていても、自分を卑下したり、相手が劣っていると思ったりする必要はありません。単に「個性が違うんだな」と理解し、お互いを尊重する姿勢(対等)が大切です。

伝えるべきことを明確にする「DESC法」

次に、具体的な伝え方を習得します。そのための実践的なフレームワークが、4つのステップの頭文字をとった「DESC法(デスク法)」です。

この手法を使うことで、感情的にならずに、誠実かつ具体的に自分の要求を伝えられるようになります。

頭文字意味内容
Describe説明する状況や相手の行動を、評価や感情を含めず事実ベースで描写する。
Explain表すその事実に対する自分の感情を表現する。
Specify指定する相手にしてほしい具体的な行動、解決策、妥協案を提案する。
Choose選ぶ提案に対する相手の反応(Yes/No)をイメージし、自分の行動の選択肢を示す。

ビジネスにおいては、期限の変更を交渉したり、業務負荷の分散を依頼したりする際に、代替案(S)や選択肢(C)を提示することで、相手の主張をないがしろにすることなく、円滑に主張を通すことができます。

伝えっぱなしで終わらせず、相手の反応を最後まで見届ける

アサーションでは、自分の気持ちを伝えること(自己主張)と同じくらい、伝え終わった後に相手がどう思っているかを知ろうとすることが大切です。

自己主張と他者配慮のバランスが取れているのがアサーティブなスタイルであり、相手の話を傾聴する姿勢が不可欠です。

一方的に自分の意見を押しつけるコミュニケーションは「アグレッシブ(攻撃的)」に分類され、周囲との軋轢を生みます。

逆に、自己主張を控えてしまうのは「ノン・アサーティブ(非主張的)」であり、ストレスを溜め込みがちです。

アサーティブな対応とは、この両極端の中間であり、率直かつ誠実で、場の雰囲気に合わせて適切な言葉を選ぶ、バランスの取れた理想的なスタイルです。

また、どのような結果になっても「自分が発言した結果だ」「発言しなかった自分にも責任がある」という自己責任の意識を持つことも必要です。

伝え方を工夫することで、人間関係の軋轢がなくなり、協力関係を築けるため、仕事の生産性向上や業務効率化につながるのです。

おわりに

言いたいことを我慢してしまうと、それが積もり積もって悩みやストレスに変わります。

思ったことをきちんと伝え合える関係性こそが、より深い信頼関係を作り上げていく上で大切ですが、伝え方と、伝える相手への配慮も必要だと思います。

私の場合は、上司や先輩が相手でも言いたいことをハッキリ言う、というより言ってしまう?タイプなので、「アグレッシブ(攻撃的)」に分類されると思います。

そのため、自分の思いや考えを伝える際には、相手の状況や立場を考えてから話すことを意識しています。そして、伝えた後の相手の反応を観察するようにしています。これを意識していないと、自分の思いや考えをストレートに伝え過ぎることで、相手が攻撃されているように感じてしまうと気がついたからです。

アサーションは、生まれ持った性格を変えるのではなく、「伝え方」「表現の仕方」を習得するためのスキルです。

伝えることが苦手な方も多いと思いますが、大丈夫です。

少しずつアサーションを意識して伝える機会を増やして行きましょう。焦らず、ゆっくり、少しずつでも、自分の思いや考えを伝えることで、伝え方が上手くなります。

若手・中堅のビジネスパーソンが、このアサーションスキル、特に「私を主語にする」ことや「DESC法」を意識して実践することで、自身の感情を整理し、それを伝えた上で相手の反応を観察する良いきっかけにしてほしいと願っています。

このスキルは、ビジネスシーンだけでなく、私生活においても円滑なコミュニケーションを可能にします。

小さな日常のやり取り(例えば、コンビニでの対応や友人への予定変更の申し出など)から意識的に練習を重ね、自分も相手も大切にするコミュニケーションの担い手になりましょう。

このページが、読んで頂いた方の参考になれば幸いです。

参考資料

このページで参考にさせて頂いた資料のURLを以下に記載しています。

■アサーティブ・コミュニケーションとは? 職場で求められる背景や実践する際のポイントを解説(リクルート) 

■アサーティブコミュニケーションとは? 違いやトレーニング方法を紹介(カオナビ)

■アサーション・アサーティブとは?自らの思いを真っ直ぐに伝えるスキル(AJS)

以上

ABOUT ME
ボクトヒカル
ボクトヒカル
事業企画マネージャー
一般企業で事業企画マネージャーをしています。 マネジメントも含めて、営業として19年のキャリアを積み現職へ。 リスキリングを目的に、働きながら大学院で経営学を学び、経営学修士(MBA)を修了。 仕事も遊びも色々な視点で楽しんでいます。
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