「やりたいことがない」は悪いことじゃない。進路に悩む子どもと親へのメッセージ
「将来やりたいことがない」と悩む子どもは少なくありません。
そんなとき、親は「早く夢を見つけなさい」と励ましたくなります。
しかし、本当に必要なのは夢を探させることではなく、「行動しながら自分を知る」という考え方を伝えることかもしれません。
進学先は人生を決める場所ではありません。
これからの可能性を広げる場所です。
そう考えられるようになると、親も子も進路へのプレッシャーが少し軽くなります。
やりたいことを育てる

私たちは「やりたいことが決まっている人ほど成功する」と思いがちです。
しかし、実際には多くの人が、経験を積む中で自分の興味や得意なことを見つけています。
- 興味を持つ
- やってみる
- 少しできるようになる・楽しくなる
- もっと挑戦したくなる
このように、「やりたいこと」は最初から見つかるものではなく、行動の中で育っていくものです。
だからこそ、「やりたいことがないから動けない」のではなく、「まず動いてみること」が大切になります。
また、親子の会話も少し変えてみると、新しい気づきが生まれます。
「将来何になりたい?」ではなく、
「最近、時間を忘れて夢中になれたことはある?」
「どんなことなら、もう少し挑戦してみたい?」
「どんな人たちと出会えたら楽しそう?」
こうした質問は、答えを求めるためではなく、子ども自身が自分の興味に気づくきっかけになります。
親の役割は進路を決めることではなく、自分で考えられる環境をつくることなのかもしれません。
やりたいことを見つけるヒント

私自身も大学卒業後は自分が何がしたいのか分からず悩みました。
学生時代は、小学校から大学まで続けていた大好きなスポーツ(ラグビー)のお陰で何も悩むことはなく、ラグビーの強い学校に進学したいと思い、なるべく自分の希望に沿う学校を選び、そこに進学していたので、進路で悩むことがほとんどありませんでした。
しかし、大学卒業後にラグビーから離れてみると、仕事ではラグビーほど熱く情熱を燃やせていない自分に気がつきました。
それでも、就職した最初の3年間は仕事を覚えることに必死でしたし、20~30代は結婚したり、子供ができたりと、大きなライフイベントが続いたこともあって、あの時の自分は、自分が本当に「やりたいこと」についてあまり考えていなかった気がします。
家庭では子どもが成長し、あまり手が掛からなくなり、職場では仕事も覚えて、中堅(主任や係長)と言われるクラスになると、オレはこのままで良いのか?本当にやりたいことは何か?と考えることが増えました。
いま思うと、少し早いミッドライフクライシス(中年の危機)だったのかもしれません。
このままで良いのか?というモヤモヤした気持ちを拭い去るために、沢山の本を読んで必死に答えを探しましたが、見つかりませんでした。
ただ、ヒントは見つかりました。
それは、
- 仕事であれば、先ず「目の前にある仕事を一生懸命やる」。
- 仕事でも趣味でも勉強でも全てに通じることは、少しでも興味を持ったら「とにかくやってみる、一歩進んでみる」。
これです。
この、めちゃめちゃシンプルなことを、バカにせずやる。
そして、少しでも多くバッターボックスに立つ(実践する)ということです。
これが、「やりたいことを行動の中で育てる」という感覚です。
私はまだまだ「やりたいことを育てている途中」ですが、この感覚を忘れずに行動したいと心がけています。
最後に
人生は、最初から一本道が見えている人ばかりではありません。
むしろ、多くの人は目の前のことに一生懸命取り組み、出会いや経験を積み重ねながら、自分の進む道をつくっています。
だから、子どもにも伝えたいことがあります。
「将来やりたいことがなくても大丈夫。でも、目の前のことには一生懸命取り組んでみよう。」
そして親自身も、こう考えてみてはいかがでしょうか。
進学先は、人生を決める場所ではない。未来の可能性を広げる場所である。
この視点を持つだけで、進路選択は「正解を探す時間」から、「未来を広げるための一歩」へと変わっていくはずです。
