2.営業の本音

営業で最も重要なのは「話す力」ではない、「聞く力」が信頼をつくる。

ボクトヒカル

営業力を高めたいと思ったとき、多くの人は「もっと商品の知識を身につけよう」「もっと分かりやすく説明できるようになろう」と考えます。

もちろん、それらは大切です。しかし、営業で成果を左右する本当の分岐点は、そこではありません。

私が最も重要だと考えるのは、「聞く力(ヒアリング)」です。

なぜなら、営業とは商品を説明する仕事ではなく、お客様の課題を理解し、その解決策を提案する仕事だからです。

相手のことを理解しないまま、どれだけ上手に話しても、その言葉は相手の心には届きません。反対に、お客様の話を丁寧に聞き、本当に困っていることを理解できれば、提案は自然と相手に響くものになります。

営業は「話す仕事」ではなく、「理解する仕事」なのです。

なぜ「聞く力」が営業を変えるのか

お客様が営業に求めているのは、商品の説明だけではありません。

本当に求めているのは、「自分のことを理解してくれる人」です。

人は、自分の話を真剣に聞いてもらえると安心します。そして、「この人は自分のことを分かってくれている」と感じたときに、初めて信頼が生まれます。

この信頼があるからこそ、お客様は本音を話し、営業はより深い課題を知ることができます。

さらに、ヒアリングにはもう一つ重要な役割があります。

それは、お客様自身も気づいていない課題を整理することです。

営業が話を聞きながら、

「つまり、今一番困っているのは○○ということですね。」

と整理して伝えると、お客様から

「そうなんです。それが言いたかったんです。」

という言葉が返ってくることがあります。

この瞬間、お客様は「理解された」と感じます。

実は、この「理解された」という感覚こそが、信頼関係を大きく前進させるのです。

営業は説明の上手さだけで信頼されるのではありません。

相手の話を聞き、課題を整理し、言葉にして返すことによって信頼されるのです。

だからこそ、営業力は次のような順番で高まっていきます。

1.聞く(ヒアリング)

2.課題を整理・言語化する

3.解決策を提案する

4.分かりやすく伝える

5.納得していただく

この一連の流れを積み重ねることで、「この人なら信頼できる」という評価につながります。

実体験から思うこと

私が入社3年目の頃に、頭が良く話も上手で、プレゼンの上手い先輩と同じ部署で仕事をする機会がありました。この先輩は、頭の回転も速く、お客様から受けた質問にも分かり易く回答(説明)できる人だったので、自分も見習おうと思い、一緒に営業同行をさせてもらい、勉強させてもらいました。

営業経験を少しずつ積み重ねながら、頭の良い先輩のスキルを学ばせて頂いたこともあり、自分が以前よりも格段に説明上手になったと感じられるようになりました。

しかし、なぜか売上(受注)実績はパッとしませんでした。

後から気がつくのですが、私の商談スタイルは、「話す」と「聞く」のバランスが7:3で、常にお客様より自分の方が多く話をしていたのです。

上手く話せるようになっても、お客様のご要望やご意見を丁寧にヒアリングしながら、お客様が本当に求めていることを引き出した上で商品やサービスを提案しないと、お客様の心は動かないし、印象や記憶にも残り難いのです。

だから、商品説明やプレゼンが上手くなっても、聞く力がないとお客様の課題を解決できないし、当然ながら注文を頂くこともできません。

このことを痛感してからは「聞く力」に関する本を読むようになったことを、昨日のことのように覚えています。

最後に

営業で成果を出す人ほど、実は多くを話しません。

その代わりによく質問し、よく聞き、相手の考えを整理することに時間を使っています。

商品やサービスは、課題を解決するための手段です。

だからこそ、課題を理解しなければ、最適な提案はできません。

営業力を伸ばしたいのであれば、まず磨くべきなのは話し方ではなく、「聞く力」です。

相手の話に耳を傾け、その言葉の奥にある本当の悩みを理解しようとする姿勢が、信頼を生み、提案を価値あるものに変えていきます。

営業とは、相手を説得する仕事ではありません。

相手を深く理解し、その理解を相手自身にも実感してもらう仕事です。

その第一歩が、「聞く力」なのだと思います。

ABOUT ME
ボクトヒカル
ボクトヒカル
営業企画マネージャー
製造業の営業企画マネージャーをしています。 マネジメントも含めて、営業として19年のキャリアを積み現職へ。 リスキリングのため働きながら大学院で経営学を学び、経営学修士(MBA)を修了。 仕事も遊びも色々な視点で楽しんでいます。
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