管理職の私が「アイドルの代わり」に「部下」を推し始めたら、マネジメントの悩みが軽くなった話
世の中は空前の「推し活」ブームですね。
推しのライブのために仕事を頑張る、推しの尊さを語る……そんな友人たちを羨ましく眺めていた私ですが、実はここ一年、誰よりも熱心に「推し活」に励んでいます。
対象は、アイドルでもアスリートでもありません。
私の「推し」は、職場の部下たちです。
中堅企業のマネージャーとして日々奮闘する中で行き着いた、この「部下の推し活」という考え方。これを始めてから、マネジメント特有の「どう評価し、どう動かすか」という重苦しい悩みの質が変わり、心がスッと軽くなりました。

このページでは、いつもとは少し違う視点で、私が実践している「部下の推し活」3つの心得と、その驚くべき効果について書いています。
推し活を支える「3つの心得」
①部下に興味・関心を持つ
推しの情報を集めるように、部下の強み、価値観、何を楽しいと感じるかを徹底的に観察します。「欠点」を探して修正するのではなく、「チャームポイント」を探す視点を持つことがスタートです。
②部下の成長を考える(育成プロデュース)
「今の仕事ができるか」だけでなく、「次にどんなステージに立たせたいか」を考えます。成長の壁にぶつかった時は、推しのスランプを支えるファン心理で向き合います。
③チーム全体の成長に繋げる(箱推し)
個々の良さが化学反応を起こし、チーム全体が輝く「箱推し」の文化を醸成します。
【体験談】「スピードが遅い」は「確実性が高い」という才能だった

私の「推し」の一人に、業務スピードがどうしても上がらない部下がいました。
以前の私なら「もっと早く!」と急かしていたかもしれません。
しかし、推し活の視点で彼を観察すると、ある重要なことに気づいたのです。
彼はスピードこそ遅いものの、仕事の中身が驚くほど正確で、手戻りが一切ないという素晴らしい才能を持っていました。
そこで私は、彼を「確実性のスペシャリスト」としてプロデュースすることに決めました。
彼に与える業務を、量(タスク数)が求められるものではなく、「絶対にミスが許されない、高い確実性が求められる業務」にシフトしたのです。
結果、彼はその分野で圧倒的な信頼を勝ち取り、周囲からの評価も劇的に上がりました。
本人も自信をつけ、顔つきがみるみる変わっていったのは、まさに推しの才能が開花した瞬間を見るような喜びでした。
マネジメントは「管理」から「応援」へ

部下を推し始めて約一年。最も大きな変化は、部下との人間関係が極めて良好になったことです。
「管理・監視」の目で見ていると、どうしても相手の至らない点にストレスを感じてしまいます。
しかし、「推し」として見ることで、視点がポジティブに切り替わります。
部下の良い部分に注目することは、結果的に彼らの適性を見極め、成長を最大化させるマネジメントそのものなのです。
もちろん、部下を推したからといって、管理職の悩みがすべて消えるわけではありません。
しかし、自分の上司に対し、「うちの〇〇さんはここが凄いんです!」と自信を持ってプロモート(評価の促進)できるようになると、マネージャーとしての仕事はぐっと楽しくなります。
おわりに
マネージャーは、部下の一番近くにいる「古参ファン」であり、「専属プロデューサー」です。
明日、出社したら、部下の「推しポイント」を一つだけ探してみませんか?
視点を少し変えるだけで、重かったマネジメントの仕事が、あなたにとっても部下にとっても、ワクワクする「推し活」に変わるはずです。
