G-RZ6K58FTGE ロジハラと正論
❶ビジネスの裏側

正論が凶器になる?「ロジハラ」と正論の関係を理解しよう!

ボクトヒカル

こんにちは!ボクトヒカルです。

このページでは、最近耳にする機会が増えた「〇〇ハラスメント」の中でも、特にビジネスの現場で注意したい「ロジカルハラスメント(ロジハラ)」について書いています。

ロジハラとは何か?なぜ「正論」が問題になるのか?

ロジハラとは、正論を突きつけて相手を追い詰め、不利な状況に追い込むことを指します。

セクハラやパワハラと同様にハラスメントの一種とされており、受け手が精神的に傷つき、仕事に支障をきたしやすくなるという大きな問題点があります。

「正論の何が悪いの?」そう思われる方もいるかもしれません。

ビジネスにおいて、物事を体系的に捉え、筋道立てて考えるロジカルさ(論理的思考力)は非常に重要であり、問題解決や円滑なコミュニケーションに不可欠な要素です。

ロジカルに説明することで、相手は内容を理解しやすくなり、認識のズレも起きにくく、仕事がスムーズに進む利点があります。

しかし、ロジカルであること自体は悪くないにもかかわらず、それがハラスメントと捉えられてしまうのは、「相手の状況を踏まえていない」話の進め方にあると言われています。

人は、仕事の忙しさ、人間関係、あるいはプライベートな問題など、様々な状況に応じた感情を抱えています。

コミュニケーションにおいては、このような相手の感情面への配慮を忘れないことが非常に大切です。

論理だけを振りかざしても、相手は納得しないばかりか、不快に感じたり、心を追い詰められたりすることもあるのです。

自分の言動を振り返ってみると、私はついつい正論ばかりを言って、相手の感情に配慮することを忘れている時があると感じました。これは本当に反省です。

職場で見られるロジハラの具体例

ロジハラは様々な場面で起こり得ますが、特に「会議の時」「部下がミスした時」「報告の時」に起きやすい傾向があるとされています。

具体的には、以下のような言動がロジハラに該当する可能性があります。

  • 全否定的な指摘:「言っている意味が全然分からない」と、どこがどう分からないのか具体的に指摘せず、相手の言っていること全体を否定するような言い方。
  • 詰問調のなぜ?:「なんでできないの?」「なんでやらないの?」と、相手を責め立てるように原因を追求する言い方。
  • 部下から上司へのロジハラ:上司が質問した際に「勉強不足なのでは?」などと、相手の感情や尊厳を傷つけるような正論をぶつける行為。

ロジハラはなぜ起きる?

ロジハラをしてしまう人には、いくつかの共通する特徴が見られます。

  1. 優位に立ちたい欲求・自己肯定欲:他者より優位に立ちたい、あるいは自分が正しいことを証明したいという強い思いがあり、コミュニケーションの目的が相手を論破することになりがちです。
  2. 「相手のため」という思い込み:自分が若手の頃に同じように厳しくされた経験があり、それが自身の成長につながったと考えている場合、良かれと思って正論を突きつけてしまうことがあります。そのため、自身の行動の危うさに気づきにくい側面があります。
  3. 強い正義感・責任感・競争心:「相手が間違っているなら正すべきだ」という強い正義感や責任感、「自分の意見が通らないのは嫌だ」という強い競争心、あるいは「白黒はっきりさせたい」という完璧主義の傾向がある人もいます。
  4. お世話焼き:「間違っているから教えてあげたい」という親切心や、頼られる存在になりたいという思いから、行き過ぎたおせっかいをしてしまうこともあります。

上記①~➃で、思い当たる項目が2つ以上ある場合は注意が必要かもしれません。

恥ずかしながら、私は3つも思い当たる項目(①・③・④)があり、改めて気をつけようと、気を引き締めています。

ロジハラと適切な指摘の境界線

では、ミスを指摘したり、問題の原因を追求したりするのもロジハラになってしまうの?と不安に思う方もいるかもしれません。

結論から言えば、間違いを指摘したり、原因を検証したりすること自体は悪ではありません。

重要なのは、「相手の感情を無視して正論を振りかざすこと」がハラスメントになるという点です。単に指摘するだけではロジハラではありません。

正論を言う際にも、言い方や相手への配慮を意識することで、ロジハラではなく適切なコミュニケーションになります。

ロジハラの加害者にならないためのポイント

もし「自分もロジハラをしているかもしれない…」と感じたら、以下の点を意識してみましょう。

■自己防衛やマウント取りをしない:本来の目的は組織として成果を出すことであり、自己満足のために相手を言い負かすことではありません。

■相手の感情を想像し、否定しない:自分の論理が正しいかを考える前に、まず相手がどのような状況で、どのような感情で話をしているのかを想像しましょう。相手の感情は否定せず、会話の前提として理解することが大切です。

■相手が納得し、共感する話し方を心がける:コミュニケーションの目的は、相手が内容を理解し、納得し、共感することです。相手が悩んでいるならじっくり話を聞く、結論を急いでいるなら要点のみ伝えるなど、相手と場面に合わせて伝え方を変えましょう。

■具体的な指摘を心がける:「全然わからない」ではなく、「主張はわかるが、その論拠ではお客様は納得しないと思う」といったように、何がどのように不足しているのかを具体的に伝えることで、相手も納得し、建設的な会話ができます。

■未来志向の会話をする:「なんでできないの?」ではなく、「こういう場面では何を準備しておけばよかったと思う?」のように、過去の失敗を責めるのではなく、今後どうすべきかを共に考える姿勢を持ちましょう。

■自分の非を認め、他者の意見を受け入れる:相手が正論を言ったとき、たとえ自分の気づきがなかったとしても、感情的にならずに「なるほど、そういう考え方もあるね」と受け入れることが重要です。

■謙虚さを保ち、事実と意見を区別する:「もしかしたら自分の考えの方が間違っているかもしれない」という謙虚さを持つことが大切です。また、自分が話していることが**「事実」なのか「意見」なのか**を明確に区別し、混同させないようにしましょう。

■相手が求めていることを考える:相手が常に正論や解決策を求めているとは限りません。「ただ話を聞いてほしいだけ」「共感してほしい」というケースもあるため、相手の状況や心情を考慮し、どのような返答が求められているのかを考えてから発言しましょう。

もしロジハラを受けてしまったら

あなたがロジハラをされて困っている場合、我慢し続けることは精神的な病につながる恐れがあるため、何らかの対処が必要です。

  • ロジハラをする人と距離を取る:可能であれば、必要最低限の会話に留め、物理的・精神的に距離を取りましょう。
  • 本人へはっきりと伝える:「それはロジハラだと思います」と、自身の感情や、コミュニケーションには論理と感情の両面があることを丁寧に伝えましょう。正論を振りかざす人は、自身の言動がロジハラだと自覚していない場合も多いからです。
  • 上司に相談する:最も効果的な対処法の一つが、ロジハラをする人の上司へ相談することです。組織のリーダーは、メンバーの労務管理や組織の成果達成に責任を持つため、何らかの対応を検討するでしょう。一人で抱え込まず、具体的に状況を説明して相談しましょう。
  • 冷静かつ客観的に自分の意見を伝える:感情的にならず、「自分はこのように考えています」と、一度相手の意見を受け入れた上で自分の意見を伝えたり、データなどの客観的な数値に基づいて意見をすることも有効です。
  • 聞き流す勇気を持つ:相手の意見や価値観全てを受け入れようとすると疲弊します。納得できる部分だけ参考にし、気に留めなくても問題ない部分は聞き流す「割り切り」も大切です。

まとめ

ロジカルであることは、ビジネスパーソンにとって強力な武器です。しかし、論理的なだけでは凶器にもなり得ることを忘れてはいけません。仕事で成果を上げ、人間関係を円滑にするためには、論理と感情の両面への配慮が不可欠です。

自身の言動に気づき、少しでも改善することで、より良いコミュニケーションを築いていけるはずです。お互いにロジハラをせず、気持ちよく働ける環境を意識していきましょう。

ABOUT ME
ボクトヒカル
ボクトヒカル
事業企画マネージャー
中堅企業で19年間、営業としてキャリアを積み、マネジメントの経験も含めて、多くの貴重な体験をしてきました。 現在は事業企画マネージャーとして、事業戦略のマネジメントを担っています。
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