メンバーの「自己効力感」がチームを変える、マネージャーが本当に育てるべきものとは
メンバーの成長やチームの成果を高めたいのなら、マネージャーが意識すべきことは「自己効力感」を育てることです。
自己効力感とは、「自分ならできる」「努力すれば乗り越えられる」という感覚のこと。
この感覚が高い人は、新しい仕事にも前向きに挑戦し、失敗しても学びに変えながら成長していきます。
一方で、自己効力感が低いと、「どうせ無理だ」「失敗したくない」という気持ちが先に立ち、挑戦する機会そのものを失ってしまいます。
自己効力感は今からでも、いつからでも育つ

自己効力感は、生まれ持った性格ではありません。日々の経験によって育つ力です。
マネージャーができることは、メンバーに「成功体験」を積ませ、「自分は成長できる」という実感を持たせることです。
そのためには、次のような関わりが効果的です。
- 大きな仕事を小さな目標に分け、小さな成功体験を積み重ねる。
- 結果だけでなく、「以前より成長した点」を具体的に伝える。
- 「ありがとう」ではなく、「あなたのおかげで営業が提案しやすくなった」のように、仕事の価値を言葉で伝える。
- 少し難しい仕事を任せ、「期待している」というメッセージを添える。
- 失敗を責めるのではなく、「今回の経験から何を学べた?」と問いかける。
特に営業企画や管理部門のように成果が見えにくい仕事では、自分の仕事が誰かの役に立っていることを実感しにくいものです。
だからこそ、マネージャー(上司)が仕事の意味や成長を言語化することが、自己効力感を育てる大きな役割になります。
もちろん、自己効力感にも注意点があります。
それは、「何もしなくても自分はできる」という過信とは違うということです。
本来の自己効力感は、「努力すればできるようになる」という現実に基づいた自信です。
準備や学習を怠るような根拠のない自信は、むしろ失敗につながります。
つまり、目指すべきは「成功体験に裏付けられた自己効力感」です。
失敗を歓迎する

私は、苦手な仕事や大きな案件と向き合う時に、その仕事を完了させる為にやるべきことを分解し、一つ一つのタスク(作業)を確実に行うことを意識しています。
小さなタスクでも、一つ一つのタスクを終わらせて行く過程の“できた”の積み重ねが、安心感と達成感の積み重ねに繋がり、小さな成功体験になり、自信になって行くからです。
マネージャーとしては、メンバーに新しい挑戦をしてもらうために、挑戦したことへの失敗を歓迎するように心掛けています。
失敗の歓迎とは、失敗(ミスも含む)したことより、挑戦したことへのチャレンジ精神を歓迎することです。
失敗への捉え方や考え方は、チームやメンバーにとって致命傷でなければ、失敗したことをネガティブに捉える必要はなく、挑戦と失敗によって得られる情報や経験をポジティブに捉えるという考え方です。
経験の浅いメンバーが多いチームには、この考え方は有効です。
経験が浅いと不安も多いし、人の心理として守りに入り易い。
しかし、経験が浅いメンバーは、経験が浅い分、吸収も早い時期だから、反省も含めて成長に繋げる可能性も高いのです。
最後に
自己効力感は、幼少期の経験だけで決まるものではありません。
社会人になってからも、職場での経験や上司との関わりによって大きく育てることができます。
だからこそ、マネージャーには大きな責任と可能性があります。
メンバーの成果を管理するだけではなく、「自分にもできる」という実感を積み重ねられる環境をつくること。
それが挑戦する人を増やし、仕事を楽しめる人を増やし、結果としてチーム全体の成果にもつながります。
マネージャーが育てるべきなのは、スキルだけではありません。
メンバーが「自分は成長できる」と信じられる力、「自己効力感」こそがこれからの時代の組織づくりに欠かせない土台です。
